kiss後で


時間と空間が 

複雑に 

入り交じっていた 

世界の事だったかも知れない 

     

夕日を見ていた 

ほっかりと大きな太陽が空に漂い 

南の島に沈む夕日は

時の流れを

緩やかのする 

 

ぼくらは

取り留めのない 

お喋りをした


海に陽が落ちて 

空が紫紺に染まるまで 


それから 

kissをした 


モノトーン 

 の世界で 

白桃 

 の風に誘われて 

       

巻き貝の仲間が持つ 

不可思議な螺旋 

 に沿って 

堕ちていった 


地中海の夕闇

 にサフランを摘むとき 

透き通る肌を持つ人魚 

 のしらべに 

船乗りは帰れない 

瑠璃色の刻 

 の底ではじけ 

太古の海を彷徨う

           

それから

どれほどの時が経ったのだろう 

南十字星が瞬いていた 

海鳴りがする

遙か彼方の珊瑚礁の縁では 

波が激しく砕け散り

海の底では 

白蝶貝が妖しい光を放っている 

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