砕かれた鏡には
新しい世界が映し出される
百の破片には
百の世界が
千の破片には
千の世界が
空を写す
海を写す
砕かれた鏡には
新しい世界がが映しだされる
その破片の中に映し出された
異国の少年が
ドルフィンを追いかける姿を求めて
旅をした
砕かれた鏡には
新しい世界がが映しだされる
春の縁側の日差しが
夏のひまわりが
秋の落ち葉の並木道が
冬の木枯らしが
笑う人がいる
怒る人がいる
悲しむ人がいる
苦しむ人がいる
砕かれた鏡には
ぼくらの非日常も映し出される
過去も
未来も
現在も
新しい恋人も
映し出されているかも知れない
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