萌え~

 山間部には積雪が残るものの、こちらでは、ようやく桜がちらほらと咲き始めたようだ。お昼は温かったせいか、気分が例によって高揚した。「萌え~」という感じなのだ。現代用語にはまことに疎いが、この「萌え~」には何となく反応した。春先のこの時期になるといつも、「萌え~」としか表現出来ない感覚に見舞われる。


もっとも僕の場合は

      春くれば雪の下草 下にのみ 萌え出づる恋を しる人ぞなき

 の「萌え」のほうかも知れない。


 春は恋をしたくなる季節でもある。妻子のある身でと非難されそうだが、生物の自然な反応であろう。不倫などという物騒な関係は別として、密かに思いをはせて、心くるわせるのもロマンチックでいいではないか。決して実現せぬ故に、いよいよ深まる恋心もある。その意味ではアニメの美少女に恋する気持ちも分からなくはない。とは言いながら、このままでは仕事にならない。