同じことを何度も書いている句があります、これは甲乙つけがたい時に書きます。決して同じことを何度も書くほど印象に残ったわけではありません。作品はあくまでも一つです。
芸術の秋だね今日はクラシック
はやばやと炬燵布団の老夫婦
猫ちゃんも冬の定位置確保せり
寒気来て暖気求めて沖縄へ
寒気団沖縄までも飲み込んで
熊出没ニュースばかりが目に留まる
この辺も熊が出るよね地蔵様
いわし雲弱魚焼きたる煙かな
秋雨の降る夜ダウンも暑くなく
秋鯖や風の通へる台所
秋鯖や酒を飲みつつ暮らしおり
秋雨やコキアの紅の滲みけり
夏予選珈琲でも飲めよ無死満塁
書類出しなにも浮かばぬ硯洗
書類出し硯を洗う曇り空
ナス南蛮みょうがに秋を盛り合わせ
秋深し庭を巡りて句を捻る
腹紅い鳥はもみじに潜みおり
秋空に紫煙は深く侵入す
背も痛くモニター越しに秋霞
朝露に濡れれど鎌の切れは良し
朝露や鎌研ぎの水事足れり
早朝に靴ふたつあり露時雨
啄木にケラほどまでの気概なく 夜の巷に流され消える
残暑まだ冬の花壇にするも惜し
残暑まだ冬の花壇は見えもせず
近頃はハラスハラスと世が狭い
昔なら髪切ったよねは礼儀だよ
髪切った褒めればハラス無視もハラ
なにハラよそう言うあなた何ハラよ
秋散らすまだ早朝のゲリラ雨
露蹴散らすまだ時折のゲリラ雨
山道のアケビ人もクマも登り
飯島晴子 蕨手 収録 山道のアケビ人も熊も昇り という説もある
新涼や人の願いの1っ歩先
新涼や人の願いの先を見る
カワセミは紅葉の葉陰に潜みおり
錦秋に腹が紅き鳥見つく
腹紅き鳥は紅葉に潜みおり
媽祖祭や豊らかに笑む台湾娘
突入りや今なら通報晒し首
突入りや今ならネットで晒し首
曼殊沙華喰らいし後の彼岸かな
新米が高くて売れぬと嘆くJA
豊年やストも出来ない会社かな
秋分やおはぎは糖に悪いかも
お彼岸や和尚が来るので金算段
蝉しぐれ営業電話を黙し切る
近頃は駅前通りも秋出水
毛見役人豊作なれど米高く
藤袴南へ帰る蝶の群れ
藤袴アサギマダラ 南へと
女郎花水面に揺れる愁いあり
秋深し クダマキ鳴き飽き 妻静か
ツクワムシ最近泣かぬが気にかかる
山吹を無碍に手折るな女郎花
老木やぼけかも知れぬ戻り花
老木の呆けか知れぬ帰り花
悪行が五臓に澱む秋思かな
処理場の脇のイチジク美味なれど
Tシャツの乙女に戯る秋の風
美少女の瞳の奥の十三夜
美少女の双眸に射す秋日陰
敬老日ひざしも鈍き屋根瓦
エアコンの風より眠れる秋の風
暑気去りて昼寝が止まぬ午後の雲
だあいすき葉書が届く敬老の日
夕月夜沈みて星の豊かなる
夕月も豊かな星も雲の上
街灯に夕月星も薄められ
夕月も豊かな星も雲の上
街灯に夕月星も薄められ
鮭おろし熊さん今夜は盆踊り
鮭おろしクマも夜明かし踊るだろ
逆波に熊も浮かれる鮭おろし
大陸の風も未だに夏残す
宵闇に程よく煙草吸い込まれ
残暑とはとっても言えぬ暑さかな
何処からか来たりて茂る韮の花
秋風や妻を肥えさすスマホかな
傾城も白無垢を着る八朔日
最近の流行りは濃いめ白粉花
おしろいは疑惑増すたび濃ゆくなり
オンブバッタ袖にされたるオスの果て
ウグイスはホトトギスの詐欺知らず鳴く
青嵐を眼下に飛行新幹線
青嵐のさざ波を飛ぶ新幹線
飛蝗堕ち蟻の巣穴は大わらわ
青嵐を突き抜けて飛ぶ新幹線
夜半過ぎ目覚めて寝れぬ大暑かな
シルバーのガイドの旅に驟雨降る
あの方も老後の夢か麦の秋
富山路はみな豊かなり立山に雪
気温35℃それでも今日は半夏生
手も貸せず寄り添うだけの秋日和
夕凪や浴衣の衿の芳香かな
A品の葡萄は甘く高価なり
A品の葡萄の粒の甘さかな
夜半過ぎ雨音高く恵雨降る
いい天気今日はヒマワリ観に行くか
深夜にも来園者ありSさん逝く
看取られてSさんが逝く熱帯夜
ターミナルのSさんが逝く熱帯夜
みまもりのSさんが逝く熱帯夜
Sさんが逝った漆黒熱帯夜
Sさんが逝ったか目醒む残暑なり
川上を生きる岩魚の貌厳し
蝉の衣脱ぎてこぼれる乙女の香
羽衣を透かして見せるビキニかな
浴衣の娘ハンディファンに汗光る
気も揺らぎ蝉さえ泣かぬ住宅街
スイカ割り孫の力じゃ割れもせず
酔芙蓉宵待ち草を蚊帳で観る
ビキニ着て足の短い人もなし
清流の鮎の香味や石ぬめる
川上に生きる岩魚の面構え
朝顔は日陰に咲かず屋根に咲く
ハイビスカス右に差し替え浜歩く
気温35℃これでも今日は半夏生
妹の年に一度の桜桃狩
睡蓮は沼にこそ映え妙高山
富山路はみな豊かなり立山の雪
青嵐を突き抜けて行く新幹線
あの方も老後の夢か麦の春
誰それと話したくもなる梅雨の前
誰それと話しもしたき梅雨の前
浜は空き干場の目刺し 太きこと
漁船出て 浜の目刺し 太きなり
漁船出て浜の目刺し太きこと
海眠り浜の目刺し太きこと
新潟よそこはシュートだ夏半ば
手も貸さず寄り添うだけの秋の暮れ
手も貸せず寄り添うだけの冬隣
手も貸さず寄り添うだけの小春かな
昔日の恋がれし君やアマリリス
山遊び熊穴を出る季節なり
行く先は棒にも当たれ秋日和
早乙女の植えるに難き広田かな
朝凪や港の目刺し太きこと
朝御膳漁港の目刺しの太きこと
この絵にも値札付けたり冬の市
AIの句を手直しした
売れ残る壺を商う小晦日
僧堂の経の唱和や若楓
いきる日は花盗人にもなりたくて
サンポカー頭上に輝くハナミズキ
微頭痛を圧して花苗求めけり
苗木市求める人は爺婆だけ
金を盗り割れにし山の冬の月
記念写真餌付く鴨らは修羅と化す
急かずとも道は半ばぞ早苗月
春の凪エンジン高く漁船でる
里山のおさなご眠る芽立ちかな
里山のしろくてあをき芽立ちかな
山の端や幼子眠る芽立ちかな
もの書けどものうい春の眠さかな
深水の美人版画や風薫る
春苗を植えよと思う怠さかな
北風や春の愁いの襲い来る
春疾風眩暈止メを服用す
大木と言う独活の木見たこともなし
春雨や漁港の海も静かなり
深水の美人版画の春の塗り
春暁の漁港の朝の忙しき
逝く春やコーヒー豆を吟味する
春の虹こういう時代も来るもんだ
かげろうの食を断ちても恋に飛ぶ
鳥曇り鳴きかう鳥は何処へ行く
酒の味わからなくなる蔵開き
人ごみも皆はしゃぎたる蔵開き
さくら散る江口だんごの縁台や
藤棚や孫の彼氏は苦労する
春時雨傘の置き場のあるやなし
花の雨このまま濡れて行こうかな
韓流は囀りうざしK-POPも
なまぬるいようず頭痛に腹痛し
春疾風湖岸に繋ぐ舟もなく
つちふるや唐はいまごろ大騒ぎ
痛いよと隣室のこえ秋雨滲む
芍薬の芽が育ち出す荒れ花壇
四月なか炬燵で眠る猫と妻
樹下に積む花びらを見て山茶花と知る
世間では花冷と聞くがまだつぼみ
古希を過ぎ働く喜びはる桜
筍は消化するのか春美味し
チューリップ花壇に咲かぬは何年か
モクレンや礼装の婦人逝きにけり
ハナチラシ風神雷神まかりくる
春北風(はるきた)や老いの入舞いし損ずる
ドンキホテ春の闇より出べくや 山口青邨(雪国)
古希を過ぎ働く喜びはる桜
木の芽摘み山を駆けずるチコもいた
春闇や枕絵妖しく光増す
世間では花冷と聞くがまだつぼみ
樹下に積む花びらを見て山茶花と知る
清明節新し児らの香り立つ
枯れた葉をのぞくと小さきオリズルラン
朝寒く薄手のダウン衣更着ぬ (衣更着 寒いので衣を重ね着するという季語)
竜天に昇るといえど兆しなし (竜天に昇るは春の季語だそう)
懸案を多く残して四月来る
空腹を耐えるか否か朝霞
寒暖差桜も思わず落花する
花冷えに電子歳時記届きおり
音質も詩歌もみんな中ほどで それでもいいやPCも中古で
タンポポや花が散るまで除草せず
枯れ葉目立つオリズルランを外に出し 葉を整理して根に堆肥したき
春雨や歩くプールの水の渦
藍色は四十八あり春の海
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