最も優れた日本の家と問われれば、やはり、茅葺きだろう。これは縄文時代の竪穴式住居にルーツがあるそうだ。耐火性を考慮すれば土壁、瓦葺きの家だろうか。現代の高気密、高断熱の耐久性はせいぜい30年だろうと言われている。
ローンを返す頃には大幅なリフォームか建て替えを考慮しなければならない。日本の家はだんだん性能が悪くなってるんです。まぁ、そうしないと建築業者さんも困るだろうし。しかし、いろいろお話しを聞いみると、やはり100年以上持つ家を造りたいらしいですね。
何故、茅葺きが良いかというと、囲炉裏と関係します。囲炉裏により暖められた空気は茅を暖めながら冬季には良好な蓄熱材として遠赤外線輻射熱を放出するでしょう。夏は優秀な断熱材になります。勿論、燃料は植物由来燃料ですからCO2は問題になりません。こう考えて行くと、竪穴式住居から発達したはずの茅葺きの家は快適な住まいだろうと思えてきます。だから、現代まで生き残ったのでしょうか。
囲炉裏は茅葺き民家にとって重要な存在です。上記のように赤外線輻射の他、茅の乾燥、薫蒸効果もあり、屋根や木材の寿命を伸ばします。湿度の多い気候に適合した家でした。鍋を焚き、餅を焼き、魚を焼く等々、家族のコミュニケーションの中心でした。いかに自然と融和して生きるということが大切かと思うのです。
ちょっと面白いのはオンドルは床面からの熱輻射、茅葺き家は天井からの熱輻射だと言うことです。気候風土の違いによるものなのでしょうね。中東諸国では石造りの家が多い。
石は良好な顕熱蓄熱材なのです。昼間の強烈な日射を吸収して夜に遠赤外線を放射する。茅葺きと言い、オンドルと言い、石造りと言い、その土地の気候風土に合った家が存在するのです。現代には現代にあった家が必要だと思います。宇宙カプセルのような家は果たしてどうなのでしょう。もっと自然と融和して生きる家が大切なのかも知れません。
茅葺を現代に甦らそうと言う研究テーマを持っています。換気は現代の家ごみでは窓を開け放っていてはプライバシーが保てません。断熱、蓄熱。温もりのある家。建築屋でもないので難しいのですが何時かまた挑戦してみたいです。
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