冬の旅


東北は妖精の棲み処だ


遠野では

冬だというのに

河童に悩まされた


次の宿は

ツインルームで

目覚めると

誰か寝ている


ドミトリーなので

不思議はないが

若い人の香りがする


夜遅く着いたのだろう

時計が止まっている


台湾人の客が多く

皆とても親切で

まるで自分の家にいるように

朝食を作っていた


でも、彼女は少し不機嫌

当たり前だ

旅先で迄

飯を作らされれば

誰でも怒る


僕は

最初の新幹線に乗ると

決意した


こういう時は

太い道を

行くに限る