学校の勉強は役に立たない?

2017-12-24 13:42:01


 父は若い頃、よく戦争の話をしました。部隊の先頭に立つ軽機関銃手で、損耗率が高く予備射手がいたと言います。良く生き残ったと思うのですが、そこには国民党軍の戦術もあったのかと思います。軽機関銃を撃って敵がひるんだ隙に傘型展開の部隊が突撃します。敵は逃げますが、これが戦術、奥に引っ張り込んで包囲撃滅するのです。だから頭を伏せてそのあたりを射撃すればいいのでしょう。


 狙ったって軽機関銃は当たらないそうですからね。父は一発も当てた覚えがないと自慢していました。古参の軍曹はそれが分かっていますから、深追いはしません。ある時、新任の将校さんが来て、進め、進めと言うのだそうです。命令ですから進まざるを得ません。案の定、包囲されました。すると将校さんはやおら軍刀を引き抜いて、「突撃」命令を出します。軍曹は伏せと指示します。将校さんはたちまちにハチの巣です。突撃していれば全員ハチの巣でしょう。


 何が大変だったってその将校さんの死体を担いで、塹壕伝いに撤退する事だったそうな。中支戦線では将校の損耗率が高かったそうですが、学校で何を習ってきたのでしょう。♪サインコサインなんになる。なんて歌がありますが、サインはSでコサインはC、タンジェントはt。理系なので結構使いましたが、それくらいです。実生活ではほとんど役に立たない。学問は応用できればかなり有用ですが、応用できなければ、先の将校さんのようなイノシシ武者になりかねません。