俳句Ⅲ


気温35℃これでも今日は半夏生

妹の年に一度の桜桃狩

睡蓮は沼にこそ映え妙高山

富山路はみな豊かなり立山の雪

青嵐を突き抜けて行く新幹線

あの方も老後の夢か麦の春

誰それと話したくもなる梅雨の前

誰それと話しもしたき梅雨の前

浜は空き干場の目刺し 太きこと

漁船出て 浜の目刺し 太きなり

漁船出て浜の目刺し太きこと

海眠り浜の目刺し太きこと

新潟よそこはシュートだ夏半ば

手も貸さず寄り添うだけの秋の暮れ

手も貸せず寄り添うだけの冬隣

手も貸さず寄り添うだけの小春かな

昔日の恋がれし君やアマリリス

山遊び熊穴を出る季節なり

行く先は棒にも当たれ秋日和

早乙女の植えるに難き広田かな

朝凪や港の目刺し太きこと

朝御膳漁港の目刺しの太きこと

この絵にも値札付けたり冬の市

         AIの句を手直しした

売れ残る壺を商う小晦日

僧堂の経の唱和や若楓

いきる日は花盗人にもなりたくて

サンポカー頭上に輝くハナミズキ

微頭痛を圧して花苗求めけり

苗木市求める人は爺婆だけ

金を盗り割れにし山の冬の月

記念写真餌付く鴨らは修羅と化す

急かずとも道は半ばぞ早苗月

春の凪エンジン高く漁船でる

里山のおさなご眠る芽立ちかな

里山のしろくてあをき芽立ちかな

山の端や幼子眠る芽立ちかな

もの書けどものうい春の眠さかな

深水の美人版画や風薫る

春苗を植えよと思う怠さかな

北風や春の愁いの襲い来る

春疾風眩暈止メを服用す

大木と言う独活の木見たこともなし

春雨や漁港の海も静かなり

深水の美人版画の春の塗り

春暁の漁港の朝の忙しき

逝く春やコーヒー豆を吟味する

春の虹こういう時代も来るもんだ

かげろうの食を断ちても恋に飛ぶ

鳥曇り鳴きかう鳥は何処へ行く

酒の味わからなくなる蔵開き

人ごみも皆はしゃぎたる蔵開き

さくら散る江口だんごの縁台や

藤棚や孫の彼氏は苦労する

春時雨傘の置き場のあるやなし

花の雨このまま濡れて行こうかな

韓流は囀りうざしK-POPも

なまぬるいようず頭痛に腹痛し

春疾風湖岸に繋ぐ舟もなく

つちふるや唐はいまごろ大騒ぎ

痛いよと隣室のこえ秋雨滲む

芍薬の芽が育ち出す荒れ花壇

四月なか炬燵で眠る猫と妻

樹下に積む花びらを見て山茶花と知る

世間では花冷と聞くがまだつぼみ

古希を過ぎ働く喜びはる桜

筍は消化するのか春美味し

チューリップ花壇に咲かぬは何年か

モクレンや礼装の婦人逝きにけり

ハナチラシ風神雷神まかりくる

春北風(はるきた)や老いの入舞いし損ずる

ドンキホテ春の闇より出べくや  山口青邨(雪国)

古希を過ぎ働く喜びはる桜

木の芽摘み山を駆けずるチコもいた

春闇や枕絵妖しく光増す

世間では花冷と聞くがまだつぼみ

樹下に積む花びらを見て山茶花と知る

清明節新し児らの香り立つ

枯れた葉をのぞくと小さきオリズルラン

朝寒く薄手のダウン衣更着ぬ   (衣更着 寒いので衣を重ね着するという季語)

竜天に昇るといえど兆しなし   (竜天に昇るは春の季語だそう)

懸案を多く残して四月来る

空腹を耐えるか否か朝霞

寒暖差桜も思わず落花する

花冷えに電子歳時記届きおり

音質も詩歌もみんな中ほどで それでもいいやPCも中古で

タンポポや花が散るまで除草せず

枯れ葉目立つオリズルランを外に出し 葉を整理して根に堆肥したき

春雨や歩くプールの水の渦

藍色は四十八あり春の海


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